国民医療費から「国民保健計算」へ/国際比較で検討開始  PDF

国民医療費から「国民保健計算」へ/国際比較で検討開始

 厚生労働省は4月26日、「医療費統計の整備に関する検討会」(座長=廣松毅・情報セキュリティ大学院大教授)の初会合を開き、経済協力開発機構(OECD)が開発した「国民保健計算の体系」(SHA)の手法に基づいた保健医療支出推計を公的統計とすることについて検討を始めた。国民医療費やSHAの手法について報告が行われた。2010年度中に意見を取りまとめる予定だ。

 09年3月に閣議決定された「公的統計の整備に関する基本的な計画」では、今後5年間に講じるべき具体的施策として「医療費に関する統計の国際比較可能性の向上」が掲げられている。

 現在、医療費の規模を表す指標として代表的に使われている国民医療費では、正常な妊娠・分娩、産褥の費用や美容整形費などは含まれていない。国民保健計算(NHA)は、傷病の治療に要する医療費だけでなく、健康増進や疾病予防など保健医療に関連して支出された財とサービスの購入のためのすべての金額。SHAは世界的に統一した規格でNHAを推計するため設けられた。

 この日は、SHAの手法に基づいて医療費の推計を行っている医療経済研究機構の満武巨裕研究副部長が、推計の対象となる項目や基準などを説明した。委員からは、NHAと国民医療費の違いや、推計の基礎となるデータなどについて質問が寄せられた。(4/27MEDIFAXより)

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