国民の9割「受けた医療に満足」/日医総研が意識調査
日本で実際に受けた医療に満足している国民は約9割に達することが、日医総研の「第4回日本の医療に関する意識調査」で明らかになった。医療全般に満足と回答した国民も6割を超え、いずれの数値も前回調査を上回った。日医総研はワーキングペーパーで「医療全般の満足度向上の背景には、医療安全への安心感と医療者の応対が影響している」と分析している。
調査は2011年11月に実施。全国の20歳以上の男女(一般国民)1246人と病院・診療所の外来患者(患者)1205人が回答した。実際に受けた医療の満足度を一般国民に聞いた質問では「満足」と回答した人が88.3%となり、前回調査に比べて8.6ポイント高くなった。医療全般でも62.4%で、前回に比べて11.5ポイント高かった。患者への質問では、受けた医療の満足度は85.2%で前回に比べて2.3ポイントの減、医療全般については57.6%で3.0ポイントの増となった。
実際に受けた医療に不満を感じた理由は、一般国民(3項目まで回答)では「待ち時間」が最も高い53.7%、次いで「医師の説明」が52.9%、「治療費」が33.1%となった。この中で「医師の説明」は前回に比べて19.7ポイント高くなった。患者でも同様の3項目が上位となった。
医療全般への不満の理由は、一般国民(複数回答)では「国民の医療費負担」が最も高い54.5%、次いで「医師の体制(医師不足など)」が49.2%、「効率性・利便性(待ち時間など)」が38.7%となった。患者でも同様の項目が上位を占めた。
●課題は救急体制の整備や高齢者の入院施設
医療の重点課題についての質問では、一般国民(3項目まで回答)では「夜間休日診療や救急医療体制の整備」が最も高い57.6%、次いで「高齢者などが長期入院するための入院施設や介護老人保健施設の整備」が53.6%、「心のケアや心の健康を保つための医療の整備」が29.6%となった。上位2項目は過去3回の調査と同じだった。患者でも同様の傾向だった。
医療保険の在り方については、一般国民の77.5%が「所得の高い低いにかかわらず、受けられる医療の中身は同じ方が良い」と回答した。患者も同様な傾向だった。日本の医療機関の安全性について一般国民に聞いた質問では「安全である」と回答した人が84.3%となり、前回に比べて27.6ポイント増と大幅に高くなった。患者への質問でも82.8%が「安全である」とし、前回に比べて12.3ポイント高くなった。(5/21MEDIFAXより)