国保税の引き上げ撤回/反発受け、山梨県山中湖村
山梨県山中湖村は8月18日までに、後期高齢者医療制度の4月開始に伴う国民健康保険税引き上げに村民から苦情や問い合わせが相次いだため税額を元に戻した。厚生労働省国民健康保険課は「一度上げた税額を住民の声に配慮して下げるのは全国的に珍しい」と話している。
村などによると、医療分と介護分だった国民健康保険税は、後期高齢者医療制度の発足で高齢者支援分が加わり3本立てになった。県国保援護課によると、高齢者支援分をそのまま上乗せすると税額が急増するため山梨県内では医療分の税率を減らすなどして全体で負担増を抑制する市町村が多いという。だが、山中湖村は財源不足などの理由で高齢者支援分をそのまま従来の税額に上乗せする条例案を6月の村議会に提出し、可決。7月20日に約1150世帯に納付書を送付した。
だが、村民から「保険料が高いのでは」などの苦情が相次ぎ、方針を転換。8月14日の臨時村議会で2008年度分にさかのぼって医療分の税率を減らす条例を可決した。すでに支払った人には還付する予定で、制度を戻すことによる減収は約4000万円になる見込み。滞納が約2割に上る徴収率改善などで財源を賄う方針。
山中湖村は人口約6000人で、65歳以上の高齢者は約2割。【共同】(8/20MEDIFAXより)