国の研修医削減修正案「一定配慮」と評価/京都府知事、本質的解決まだ
国の臨床研修制度見直し案で、2010年度はおおむね現状維持とする厚生労働省の修正案について、京都府の山田啓二知事は4月24日、「最初のとんでもない話からすると、府の事情にも一定配慮してくれた」と評価した。その上で、「(医師不足の)本質的な解決にはまだ至らない」とし、引き続き、各府県の実情を反映した制度づくりを国に求めていく考えを示した。
当初、国の臨床研修制度見直し案では、厚労省の試算によると、京都府の場合、「190人の削減(削減率30%)」となり、全国の都道府県の中で、最も厳しい定員削減を迫られていた。
これに対し、府などは「府内の医師不足をさらに深刻化させる」と強く反発。同省は23日、激変を緩和するため、来春に限り前年の受け入れ実績を考慮するよう修正した案を示した。山田知事は定例会見で、「3割カットのような急変はしないと聞いているが、全体像が分からず、その後が未定だ」と、新たな研修医制度の成り行きを不安視するとともに、「府が医師確保に向けて税金を投入して頑張ってきた評価を明らかにするよう求めたい」と強調した。