国の改革案、府対策協で反発相次ぐ/研修医定員「偏在、解決せず」  PDF

国の改革案、府対策協で反発相次ぐ/研修医定員「偏在、解決せず」

 研修医数に都道府県ごとの上限を設けて医師偏在の解消を目指す厚生労働省の改革案に対し、京都府は3月26日、府医療対策協議会を京都市上京区で開き、対応を協議した。全国で最も厳しい削減率を強いられることから、京都大付属病院や府立医大、府医師会から「実情がまったく分かっていない」「医師偏在問題の解決にならないうえ、救急がますます厳しくなる」など反発が相次いだ。

 医療対策協議会で府は、研修医制度の見直し案で、京都府の定員上限が現在の353人から大幅減の190人(経過措置247人)となる試算を報告した。

 その上で、「京都府の定員削減率30%(削減率2位の大阪府は13%)は全国でも突出しており、医師不足の拡大が懸念される。都市部でも当直などで研修医の果たす役割は大きく、定数減で救急医療態勢がより過酷になる」と問題点を指摘した。

 この報告を受け、京都大付属病院の中村孝志病院長は、京都大病院から約8割の医師が府外の病院などで勤務していることを挙げ、「厚労省案は研修医を終えた医師が府県の壁を越えずに地元定着する前提だが、大学病院は地方を越えて活動している。今回の案は日本の医療を悪くし、医師偏在の解決にもならない」と批判した。

 また、府立医大の山岸久一学長も「全国一律で研修医枠を調整するのではなく、ブロック単位とすべきだ」と見直しを求めた。

 全国レベルで活躍する医師を輩出している大学病院が強く反対の姿勢を示したことで、厚労省案に対する反発が広がるのは確実だ。

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