国の医療施設、医師給与11%引き上げ/人事院勧告

国の医療施設、医師給与11%引き上げ/人事院勧告

 人事院は8月11日、2008年度の国家公務員の月給と特別給(ボーナス) の据え置きを国会と内閣に勧告した。ただ、医師の給与については、09年4月から平均で約11%引き上げる。勤務医の確保が国の医療施設でも重要課題となる中、給与面では民間病院や国立病院機構に勤務する医師との比較で大きく下回ることから、特に若手・中堅医師の人材確保のため、年間給与が国病機構並みになるよう初任給調整手当を改定するとした。

 国家公務員の給与は民間給与に準拠して決められる。人事院が行った08年の国家公務員給与等実態調査と職種別民間給与実態調査によると、公務員(平均41.1歳) の月給は38万7506円で、民間より136円(0.04%) 低かった。ボーナスは公務員と民間の支給月数はともに4.50月と均衡していた。民間給与との差が極めて小さいことから、人事院では月給、ボーナスともに08年の改定は行わないこととした。据え置き勧告は2年ぶり。

 国立高度専門医療センターや国立ハンセン病療養所など国の医療施設でも勤務医の確保が重要課題となっている状況を踏まえ、04年3月まで同じ国立病院だった国病機構の医師の給与と均衡するよう年間給与を平均で約11%引き上げる。勧告では、勤務医確保には勤務条件や勤務環境の改善に加え、適切な給与水準の確保が必要と指摘。若手から中堅の医師の人材確保を図るため、初任給調整手当の最高支給限度額を10万4000円引き上げる。国立高度専門医療センターに勤務する医師については、現在適用されている初任給調整手当の「職員の区分」を1段階高い区分に引き上げる。これらの措置は09年4月1日から実施する。(8/12MEDIFAXより)

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