国の借金、初の1000兆円/6月末、景気対策で
財務省は8月9日、国債と借入金、政府短期証券を合計した国(政府)の借金残高が、ことし6月末時点で1008兆6281億円となったと発表した。3月末時点と比べ17兆270億円増え、初めて1000兆円の大台を突破した。総務省が推計した7月1日現在の日本の総人口1億2735万人で割ると、1人当たり約792万円になる。
歳入不足を補う赤字国債の発行に加え、安倍政権発足後に決定した大型の緊急経済対策や東日本大震災の復興支援などで国債の増発を続けたため、借金の残高が大きく膨らんだ。
国の経済規模を示す2012年度の名目国内総生産(GDP)約475兆円の2.1倍を超えており、国内外から財政健全化を求める声が一段と強まりそうだ。
借金残高の内訳は、国債が3月末時点から8兆9786億円増えて過去最大の830兆4527億円に達した。このうち東日本大震災の復興に充てる「復興債」は、6831億円増の11兆114億円を占めた。
金融機関などからの借入金は522億円減の54兆8071億円、一時的な資金不足を補うために発行する政府短期証券は123兆3683億円と3カ月前より8兆1007億円増えた。
財務省は13年度末に国の借金が最大1107兆円程度に達すると見込んでいる。(8/13MEDIFAXより)