周産期受け入れ拒否、9割以上が「NICU満床」/
厚労省の調査速報
厚生労働省は11月20日の「周産期医療と救急医療の確保と連携に関する懇談会」で、総合周産期母子医療センターなどを対象に実施した「周産期医療ネットワークに関する実態調査」の結果(速報値) を公表した。センターで母体や新生児の搬送を受け入れられなかった理由(複数回答) として、いずれも9割以上が「NICU (新生児集中治療管理室) 満床」と答えた。
2008年度、母体搬送を受け入れられなかったセンターは、有効回答した74施設中53施設(71.6%) で、受け入れられなかった理由(複数回答) では「NICU満床」が92.5%に上った。2007年度に新生児搬送を受け入れられなかったセンターは有効回答した70施設中42施設(60.0%) あり、「NICU満床」を理由に挙げたのは95.2%だった。
NICUの病床数が12床以下の施設は7割以上あり、07年度の病床利用率が90%を超えている施設は75.7%に上った。また、NICUの当直体制が「医師1人」の施設が84.0%だった。
都道府県を対象にした調査ではNICUが「不足している」と答えたのは約半数の22自治体で、「充足している」は23自治体、「把握していない」は2自治体だった。総合・地域周産期母子医療センターの空床情報の更新頻度は「おおむね1日1回」が20自治体で最も多く、リアルタイムで更新しているのは4自治体だった。(11/21MEDIFAXより)