周産期医療体制の整備指針を改正/厚労省
厚生労働省は、「周産期医療体制整備指針」を改正し、1月26日付で都道府県に通知した。医療計画の中に周産期医療体制についての基本的な内容を盛り込むよう求めたほか、「周産期医療体制整備計画」の速やかな策定も求めた。
●NICU整備目標、出生1万人当たり25−30床
指針によると、整備計画は、周産期医療体制について協議する「周産期医療協議会」を設置し、意見を聴いて都道府県が策定する。周産期母子医療センターの具体的な設置数や診療機能、連携体制などを盛り込む。新生児集中治療管理室(NICU)について出生1万人当たり25床から30床を目標として整備するよう求めている。
策定期限は「遅くとも2010年度末まで」としているが、厚労省は速やかな策定を求めている。NICUの早期整備に向けては、10年度予算案に盛り込んだ周産期母子医療センターへの補助などを活用してほしいとしている。
●「産科合併症以外の合併症」に対応を
指針では、周産期母子医療センターの指定基準も改正した。「総合周産期母子医療センター」については、ハイリスク妊産婦などの受け入れ体制とともに、脳血管障害や心疾患など「産科合併症以外の合併症」を持つ妊婦の救急医療に対応できる体制を新たに基準に挙げた。「周産期医療情報センター」の設置も想定し、情報センターには搬送コーディネーターを配置することが望ましいとした。
●地域周産期母子医療センターは要件緩和
「地域周産期母子医療センター」については認定要件を緩和。NICUを備える小児専門病院など、産科を標榜していない病院でも認定できるようにした。新生児病室の医師は、小児科を担当する医師が24時間体制で「病院内」に勤務していることとしたほか、看護師数は「設定した水準の新生児医療を提供するために必要な適当数」とした。
このほか、妊婦と新生児の搬送・受け入れ状況や妊産婦死亡率などを調査し、地域住民に公表するよう求めた。
●医療提供体制の基本方針、改正を官報告示
厚労省は26日、医療法に基づく「医療提供体制の確保に関する基本方針」の一部改正を官報告示した。産科合併症以外の合併症を持つ母体に対して、周産期医療と救急医療の連携体制を確保する重要性などを加えた。(1/27MEDIFAXより)