向精神薬、重複処方「不適切」1797人/厚労省、生活保護調査
厚生労働省は9月3日、同一月に複数の医療機関から向精神薬が処方されていた生活保護受給者2555人について、約7割に当たる1797人が、不必要に同じ薬を入手するなど不適切な処方だったと発表した。長妻昭厚生労働相は閣議後会見で「今後こういったことが起こらないように、レセプト点検の徹底を図る」と述べた。
厚労省が実施したサンプル調査の結果によると、2555人のうち「月の途中に転院したので複数の医療機関から処方を受けた」「複数の医療機関に別の病気でかかり、効能の異なる向精神薬を処方された」など、受診が適切だったと認められたのは758人(29.7%)。残る70.3%は不適切と判断された。
問題のあった1797人のうち、福祉事務所が重複受診しないよう患者に指導して医療機関を一本化するなど「改善された」のは721人。「指導中」は927人で、「生活保護廃止などで指導に至らなかった」は149人だった。
サンプル調査は、2010年4月に大阪市の生活保護受給者が営利目的で向精神薬を大量に入手していたことが発覚したことを受けて実施。10年1月に精神科を受診した4万2197人のレセプトを調べた。厚労省は7月、1次調査結果として重複処方が確認された人数を2746人と発表したが、精神科以外の通院患者が対象に含まれていたとして、2555人に修正した。(9/6MEDIFAXより)