合計特殊出生率、3年連続で上昇/08年人口動態統計の確定数
厚生労働省は6月3日、「2008年人口動態統計月報年計(概数)の概況」を公表した。1人の女性が一生の間に産む子どもの数を推計した「合計特殊出生率」は1.37で、06年以降3年連続で上昇した。08年の出生数は109万1150人で前年と比べて1332人増加した。
厚労省統計情報部は、出生数の増加について「08年はうるう年で1日多かったことが影響している」と分析しており、出生数と合計特殊出生率がともに増加したものの、少子化は依然、深刻な状況とみている。出生数を母親の年齢別にみると、20−24歳、25−29歳、30−34歳では減少したが、35歳以上の各階級では増加した。第1子出生時の母親の平均年齢は上昇傾向にあり、08年は29.5歳だった。
一方、死亡数は114万2467人(前年比3万4133人増)で戦後最多となった。高齢者の増加により、死亡数は03年から100万人を超えており、08年は75歳以上高齢者の死亡数が全体の約3分の2を占めた。死因別死亡数の割合をみると、悪性新生物の30.0%が最も多く、次いで心疾患の15.9%、脳血管疾患の11.1%、肺炎の10.1%─の順。悪性新生物による死亡数は34万2849人で過去最高だった。死因順位では老衰が自殺を上回った。
自殺による死亡数は3万197人で、前年より630人減少。厚労省は「月別の数字では8月までは減少していたが、9月以降増加している」と分析しており、経済不況が影響している可能性がある。
婚姻件数は72万6113組で、前年から6291組の増加。平均初婚年齢は、夫30.2歳、妻28.5歳でともに上昇した。離婚件数は25万1147組で、03年から6年連続で減少した。(6/4MEDIFAXより)