受診時定額負担は政治決着へ/医療保険部会取りまとめ  PDF

受診時定額負担は政治決着へ/医療保険部会取りまとめ

 高額療養費制度の見直しや受診時定額負担の導入、70−74歳高齢者の自己負担割合といった問題は、厚生労働省の審議会では決着を得られず、与党の政治決着で最終判断されることになった。

 厚労省は12月5日、年内最後の社会保障審議会・医療保険部会を開き、12月1日に続いて議論の取りまとめを行った。この日は12月1日に提示した資料「議論の整理(案)」の修正文を厚労省が再提示し、おおむね了解を得た。ただ、高額療養費制度の見直しや受診時定額負担などの議論をめぐっては、委員間の意見を最後まで一本化できず、両論併記のまま取りまとめた。厚労省によると、この報告書は社会保障・税一体改革成案の実現に向けて具体策を講じていく際の参考にするという。与党にも提示し、両論併記の部分については政治判断を仰ぐ形にするという。

 「議論の整理(案)」は▽地域の実情に応じたサービスの提供体制の効率化・重点化と機能強化▽高度・長期医療への対応(セーフティーネット機能の強化)と給付の重点化▽市町村国保の財政基盤の安定化・強化・広域化▽高齢者医療制度の見直し▽協会けんぽの財政健全化の取り組み▽給付の重点化・制度運営の効率化─の6項目で構成されている。

 高額療養費制度の見直しについては「改善の必要性に異論がなかったが、財源をどのように賄うかについては意見が分かれた」と記載した。財源については、受診時定額負担の導入に反対意見があったことと、選択肢の一つという意見があったことを両論併記。保険者ごとの財政影響が異なることを踏まえた議論を行う必要があるとの文章も記載した。最終的には「財源の確保とあわせてさらに検討を進める必要がある」とし、結論を出さず、与党に判断を任せる形を取った。

 70−74歳患者の自己負担割合については「速やかに法定割合に戻すことが適当という意見が多かった」としながらも、「一部の委員から、日本の患者負担割合は国際的に見て高水準にあり1割のままにすべきとの意見があった」という文言も盛り込み、両論併記した。

 医療費適正化計画については「療養病床に係る目標を凍結したことや、成案で新たな医療提供体制の方向性が示されたことも踏まえ、2013年度からの新たな計画期間における目標の在り方等を検討し、引き続き医療費の適正化を推進する」とした。(12/6MEDIFAXより)

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