受診時定額負担は「中医協軽視」/安達氏
中医協委員の安達秀樹氏(京都府医師会副会長)は、9月23日の「医療フォーラムIN大阪」で、受診時定額負担に対して「2010年度改定時の外来分の配分は400億円だった。歯科と合わせても1000億円の医療資源しか回っていない。あれから2年もたたないうちに、受診時自己負担引き上げによって生じる受診抑制効果(長瀬効果)として2000億円が見込まれるプランを提案してきたことは、中医協軽視と言わざるを得ない」と指摘し、容認できないとの考えを鮮明にした。
安達氏は受診時定額負担として100円を導入すれば、02年の健保法一部改正で7割給付を維持するとした規定にも反すると主張。「受診時定額負担は形式の上では異なるが、実質的には軽医療免責制と何ら変わらない」とも指摘した。受診時定額負担の提案は、保険原理を強くするチャンスと捉えられることがあってはならないとし、「国民皆保険制度の根本議論の下で国民の合意形成が前提になる」と述べた。
●紹介状なし患者の特別料金「代替案にならず」
9月16日の医療保険部会では、受診時定額負担100円と同規模の財源を確保するには、大病院での初診時に7000−1万円程度の追加負担を求める必要があるとの試算を厚生労働省が示した。安達氏は取材に対して「現在の選定療養による徴収金に上乗せで取るということかと思うが、紹介状なしでの患者数は、全体の外来受診回数20億回には遠く及ばない。2000億円に相当する額をこの方法だけでやろうとすれば、相当の上乗せ額になる。患者への説明は大変、難しい」と述べ、代替案として選択肢にはなり得ないとの認識を示した。(9/27MEDIFAXより)