受動喫煙で年間6800人が死亡/「全面禁煙」法制化を提言
国立がん研究センターのWHO「喫煙と健康」指定研究協力センターは9月28日、「タバコフリー築地フォーラム2010緊急集会」を開き、「受動喫煙防止のために、職場と公共の場所での『全面禁煙』法制化が必要」との提言を発表した。フォーラムでは、片野田耕太氏(国立がん研究センターがん対策情報センター)が「受動喫煙が原因で1年間に6800人が死亡している」との推計を公表した。
片野田氏は「受動喫煙による日本人全体の健康被害」をテーマに講演。肺がんと虚血性心疾患について、受動喫煙に起因する死亡数を調査し、「受動喫煙が原因で年間約6800人が肺がんと虚血性心疾患で死亡している」との推計を発表した。この6800人について受動喫煙の場所を家庭・職場別に調査したところ、職場での暴露は女性で1811人、男性で1814人に上った。片野田氏は「職場や公共の場所での禁煙法制化を進めるべき」としている。
また、同指定研究協力センターの望月友美子センター長は「たばこ規制枠組条約締結国として、『たばこの煙への暴露からの保護』の履行が求められており、職場での受動喫煙対策の新たな枠組みが求められている」と指摘した。
飲食店などで行われている「分煙」については、大和浩氏(産業医科大健康開発科学研究室教授)が「従業員が暴露する危険性が高い」とした。(9/29MEDIFAXより)