受け取り代理は届け出制に/出産一時金で医療保険部会  PDF

受け取り代理は届け出制に/出産一時金で医療保険部会

 社会保障審議会・医療保険部会(部会長=糠谷真平・国民生活センター顧問)は12月2日、2011年度以降の出産育児一時金の扱いで小規模施設に対する「受け取り代理制度」の対象について▽年間平均分娩件数100件以下▽正常分娩による収入が全収入の50%以上―のいずれかを満たしている診療所・助産所を目安とし、厚生労働省への届け出制とすることで合意した。

 届け出た施設が直接支払いと受け取り代理の両方を実施するか、受け取り代理だけとするかは施設側の選択とする。両制度を実施する施設でも、制度を利用するか、妊産婦が直接支給を受けるかは妊産婦側が選択できる。

 施設の資金繰りが困難になるなどの理由で見直しを進めていた直接支払い制度については、支払いを早期化するほか、専用請求書の記載項目を見直すなどの簡素化を図る。福祉医療機構による低利融資については継続する。

 10年度末までの暫定措置として4万円を引き上げていた一時金額(42万円)については、11年度以降も継続する。保険者の委員からは引き上げ継続に伴う財源について、暫定措置時の補助の継続を求める意見が相次いだ。

●高額療養費、外来でも現物給付
 医療保険部会で見直しを進めていた高額療養費については、入院で実施している現物給付化を外来でも導入する。具体的には外来窓口で自己負担限度額を超える場合は、窓口での支払いを限度額までにとどめ、保険者から医療機関に支払う。

 所得によって自己負担限度額が異なるため、患者はあらかじめ保険者から「限度額適用認定証」の交付を受ける必要がある。実施可能な保険者、医療機関から11年度中に導入し、12年度から完全実施に移行する計画だ。対象となる患者について、厚労省はレセプトベースで70歳未満が0.3%程度、70歳以上が1%程度とする粗い試算を示し「広く行われるものではないと思う」との見方を示した。

 一方、所得の低い一般所得者の自己負担限度額の見直しについては、保険者の負担増に対する懸念が強いとして見送る。(12/3MEDIFAXより)

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