原発長期運転で2億円交付/経産省、立地自治体へ

原発長期運転で2億円交付/経産省、立地自治体へ

 原発を長期間連続運転できるようにする新検査制度が2009年導入されるのに合わせ、経済産業省は9月6日までに、新制度の適用対象となる原発の立地自治体に新たな交付金を出す方針を決めた。1カ所当たり道県と市町村にそれぞれ総額2億円とする方向で調整している。

 新検査制度では、運転を止めて設備点検する定期検査の間隔が長くなるため、電力会社にとっては原発の稼働率が上がる利点がある。しかし、安全性への不安や作業員の雇用減少、消費落ち込みなど地元経済への影響を懸念する立地自治体や住民が反発、導入がいったん見送られた。

 新たな交付金は、安全性に関する住民への広報活動や地域の経済支援に充ててもらうのが目的だが、不安や批判が依然ある中、交付金によって制度定着を目指す方法の妥当性を問う声もある。

 新制度適用を受けたい電力会社は、個々の原発について、設備の劣化状況や安全対策をまとめた保全計画を国に提出することが必要。計画提出段階で、電源3法交付金制度に基づく「電源立地地域対策交付金」の1つとして道県と市町村にそれぞれ年4000万円を5年間交付、複数基あっても1カ所につき1回限りにする見込み。【共同】

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