原発避難者とIPPNWのスイス人医師が懇談  PDF

原発避難者とIPPNWのスイス人医師が懇談

放射能から身を守る方法を助言

 核戦争防止国際医師会議(IPPNW)会員でチェルノブイリ原発事故の子どもたちへの影響調査などを行っているスイス人医師ミシェル・フェルネクス氏が5月17、18日の両日、来京し、福島原発事故で京都に避難する被災者らと懇談した。同氏が8月に広島で開催されるIPPNW世界大会を前に来日するのを機に、IPPNW京都支部と核兵器廃絶ネットワーク京都(反核ネット)が仲介して被災者との懇談が実現した。また同氏は、近著『終わりのない惨劇』の中で国際原子力機関(IAEA)や世界保健機関(WHO)がチェルノブイリの被害を矮小化していることを指摘し、IAEAの同意がなければWHOが原子力分野で自由に活動できない合意があることを批判し、WHOの独立を訴えている。

 フェルネクス氏は17日に、IPPNW京都府支部会員、反核ネットメンバーらと懇談・懇親を行い、18日には、避難者らと懇談を行った。懇談には、IPPNW京都府支部会員、反核ネットメンバーらが同席し、報道各社が取材。(京都新聞では5月19日に報道)

 フェルネクス氏は、避難者に対し、居住地や避難時期、避難形態(母子避難など)等を質問し、話を進めた。そして、放射能から身を守るための具体的な方法の1つとして、ウラジミール・バベンコ著、今中哲二(京都大学原子炉実験所)監修の『自分と子どもを放射能から守るには』を紹介し、放射能を効果的に取り除く調理法等を紹介。また、ストロンチウムやセシウム、ウランなどの重金属を体外に排出するのに、ペクチン、ビタミンA、Eの摂取が効果的と、ベルラド放射能安全研究所の研究を紹介した。

 また、これから出産を考えている女性には、特に卵子への影響が心配されるため、放射能が高い地域に近寄らないこと。ペクチン等で放射性物質を排出することを勧めた。

 避難者側からは、首都圏土壌調査結果や、尿検査での放射性物質の検出値を示し、尿中の値から、全身の内部被曝量を換算するとどのくらいの値になるのか諸説あるが、どれが正しいのかなどの質問も出された。

 避難者は、できる範囲での調査を独自に行っている。しかし、内部被曝量については、ホールボディカウンターでの計測が有効であることから、住民の健康に責任を持つ行政が購入し、特に放射能の影響を受けやすい子どもたちの計測を行う必要があることを訴えた。

 また、個別に健診結果についての相談に応じたりするなど、出席者同士でさまざまな情報交換を行い、今後の取り組みへのつながりを作ることができた。

フェルネクス氏

フェルネクス氏

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