原発反対でウミスズメ原告に/山口県上関町の住民
中国電力が山口県上関町で計画中の上関原発をめぐり、反対派住民が12月2日、建設予定地の海の埋め立ては周辺海域の生態系に悪影響を及ぼすとして、国の天然記念物カンムリウミスズメなど計6種の野生生物を原告に加え、県による埋め立て免許取り消しを求め山口地裁に提訴した。
訴状によると、人が自然の権利を代弁する「自然の権利」訴訟の1つで、野生生物は生態系の象徴。住民側弁護士によると、同種訴訟には国営諫早湾干拓事業(長崎県) をめぐる「ムツゴロウ訴訟」などがあるが、野生生物などが原告と認められた判例はない。
住民らは、中国電力の環境影響評価は生物への影響をあまりにも過小にみており、県の埋め立て許可は公有水面埋立法に違反するなどと主張している。
山口県は10月、中国電力から申請されていた埋め立てを許可した。【共同】