原発を太陽光発電施設に/オーストリアで新たな試み
ウィーン近郊に1970年代に建設され、一度も運転することなく廃止されたツウェンテンドルフ原子力発電所で太陽光パネル300枚が設置され6月25日、発電が始まった。不要になった原発で太陽光発電を行う例のない試みで、計画を進めた地元電力会社は「エネルギーの将来を考える上で歴史的な日だ」と述べた。
ツウェンテンドルフ原発はウィーンの西約50キロにあり、オーストリア唯一の原発として完成状態にあったが、78年の国民投票で操業しないことが決まった。発電所の施設はその後、地元電力会社が買収し、国外の原発技術者の訓練が行われている。
電力会社は120万ユーロ(約1億6000万円)をかけて原子炉建屋の屋上やその周りに太陽光パネルを設置した。7月中に計1000枚に増やす予定で、年間の発電電力量は18万キロワット時と、好天時の日中には数百世帯分の電力を賄えるとしている。【ウィーン6月26日共同】