原発ごみに“不良品”/固化体に想定外の化合物  PDF

原発ごみに“不良品”/固化体に想定外の化合物

 試運転中の日本原燃の使用済み核燃料再処理工場(青森県六ケ所村) で製造した高レベル放射性廃棄物の「ガラス固化体」に、想定していなかった化合物を含む“不良品”があることが10月30日、分かった。製造の際に温度管理に失敗したのが原因という。

 固化体は、地下の最終処分場に埋め捨てる計画で現在、候補地を公募中。この化合物は水に溶けやすいが、原燃は「周辺に影響はない。普通の固化体と同じ」としている。ただ、埋設した際の環境影響評価を日本原子力学会に委託した。

 原燃によると2007年11月に始めた固化体製造で、溶融炉で通常より粘り気がない「低粘性流体」ができた。モリブデンや硫黄、ナトリウムを主成分とする化合物で、ガラスより重く、容器へ最初に流れ落ちやすい。最大で固化体重量(約500キロ) の約0.1%。10月上旬までの調査で、固化体60本のうち35本に含まれると判明した。

 埋設する固化体の中身に関する国の安全基準は現在はない。【共同】

ページの先頭へ