原子力事故時に被ばくの恐れ/対策拠点の7施設
総務省は2月13日、放射能漏れなど原子力事故の発生時に現地対策本部を置く緊急事態応急対策拠点施設(オフサイトセンター)について、静岡など7道県の7施設で内部の放射線量低減の対策が不十分なため関係者に被ばくの恐れがあるとして、経済産業省と文部科学省に施設の運用や設備の改善などを勧告した。
オフサイトセンターは原子力発電所などの近くに設置され、災害時に国や自治体などの関係者が集まり応急対応を協議する拠点。総務省は行政評価の一環として全国22施設のうち、福島、石川など12道県の13施設を抽出、調査した。
その結果、7施設については原発などからの距離が比較的近いにもかかわらず、放射性物質による汚染を防ぐために外部との出入り口を限定し、残りは封鎖するなどの対策が明確でないことが判明。このうち宮城などの5施設は、放射性物質を除去する換気設備も不十分と指摘した。
また、国が事故発生時に放射性物質の影響範囲などを予測し、住民の避難に活用する情報システムの運用も点検。今回の調査対象施設がある12道県のうち北海道、青森、神奈川、愛媛の4道県で2005年度から3年間、住民の人口などの情報が更新されていないことが分かり、総務省は更新頻度を高めるなどの改善を文科省に求めた。【共同】