原則課税の具体的手法で検討開始/医法協  PDF

原則課税の具体的手法で検討開始/医法協

 日本医療法人協会は7月8日、常務理事会と理事会を開き、社会保障・税一体改革の成案が決定したことを受け、非課税となっている社会保険診療報酬と介護報酬を原則課税に変更するための具体的手法に関する議論をスタートさせた。

 日野頌三会長は会合後、本紙の取材に対して「消費税制の抜本的改革を目指す上で、原則課税に変更する手法として軽減税率の反対を確認した。多くの医療機関では、補填された1.53%を超える控除対象外消費税が発生しており、対応が必要との認識でも一致した」と述べた。

 これまでの四病院団体協議会の議論などでは、原則課税とした上で患者に即日還付する制度の案なども出ているが、この日の会合で日野会長は「給付付き税額控除制度」の導入も一つの考え方として提案した。日野会長は「さまざまな手法を検討し、抜本改革につなげていきたい」とし、結果がまとまり次第、四病協などに提案する考えだ。

●藤井総理補佐官に要望
 日野会長は、消費税増税と社会保障の一体改革論議が進んでいた6月22日に、医法協として内閣府総理大臣補佐官の藤井裕久氏らに、医療・介護に関わる消費税の非課税見直しを求める緊急要望書を提出したことを明らかにした。消費税問題については、四病協医業経営・税制委員会(委員長=伊藤伸一・医法協副会長)が2012年度の税制改正要望について議論を詰めていることから、医法協としてバックアップするために緊急要望した。要望は、医療と介護に関わる消費税の非課税を原則課税に改めるとともに、患者と利用者負担への配慮を求めた。

 また、診療報酬による画一的な補填方式では、個別性の強い医療機関の消費税負担の実態になじまず、税負担の公平性が損なわれると主張。介護保険でも、居宅介護サービス費や施設介護サービス費について仕入れ消費税分を控除できない同様の事態が起きているとし、制度矛盾の解消を求めた。

●大学病院は特定機能に特化を
 一方、この日の会合では、社会保障審議会・医療部会で議論された特定機能病院の在り方について、理事らから「大学病院は特定機能に特化すべきだ」「一般外来を最小限にとどめ、紹介外来や術後のフォロー外来に専念すべき」などの意見が出たという。「健全経営が可能な助成金、診療報酬などを大学病院に手当てすべきだ」との意見も強かった。日野会長は「特定機能病院は、特定機能を明確にしていくべきで、医療部会でもきちんと議論を深めていくべきだ」と指摘した。(7/11MEDIFAXより)

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