厚労省 療養機能強化型の介護療養病床を新たに打ち出し厚労省 療養機能強化型の介護療養病床を新たに打ち出し—全廃方針変えず  PDF

厚労省 療養機能強化型の介護療養病床を新たに打ち出し—全廃方針変えず

 
 厚生労働省は11月6日の社会保障審議会・介護給付費分科会で、新たに「療養機能強化型介護療養型医療施設(仮称)」の創設を打ち出した。
 (1)重篤疾患患者や身体合併症を有する認知症高齢者が一定割合以上(2)医療処置を受けている患者が一定割合以上(3)ターミナルケアを受けている患者が一定割合以上(4)生活機能維持改善のリハ提供(5)地域貢献活動—の五つの要件をすべて満たす施設を「療養機能強化型介護療養型医療施設(仮称)」とし、それ以外を「その他の介護療養型医療施設」とする案を示した。
 介護療養病床廃止問題に関連し厚労省事務局は「介護療養廃止の方向に変更はない。2018年まで存続するため、必要な評価を行うことを提示した」とし、これまでの全廃の方針を転換したわけではないと説明した。
 「療養機能強化型介護療養型医療施設(仮称)」の提案に際しては、患者の医療区分を用いて医療療養病床と介護療養病床の分化が進んでいることや、介護療養型医療施設が、介護老人保健施設に比べてより高い頻度で一定の処置を実施していることを資料で示し、それらの違いを説明するなどしている。今回の提案が、わずか3年の期限付きであれば、現場はかえって混乱することになる。厚労省は介護療養病床の存続の必要性を素直に認め、全廃の方針を撤回し、患者と現場の不安を早急に払拭すべきである。

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