厚労省研究班が「院内事故調」運営指針案/議論は原則1回2時間  PDF

厚労省研究班が「院内事故調」運営指針案/議論は原則1回2時間

 厚生労働科学研究の「院内事故調査委員会の運営指針の開発に関する研究」班は1月24日、都内で開いた中間報告会で、院内事故調の運営指針案第1版を示し、院内事故調の目的や対象事例、委員組織の在り方などについて解説した。

 指針案では院内医療事故(患者有害事象)調査委員会の目的を「医療事故を再発防止するための原因究明と医療の質・安全の向上のための改善提案を行い、個人の責任を追及する場としない」とした。調査対象となる事例は、予期しない結果のうち、死亡または重篤な後遺障害をもたらした事例に加えて、医療安全管理者または医療機関の管理者などの合議体が調査を必要と判断した事例とした。

 委員は、必ず医師と看護師を含む多職種から医療情機関の管理者が選任する。構成人数は、委員長を除いて4−9人が適当だが、うち1人以上に事故調査の経験者か事故調査の教育訓練を受けていることを求めた。院内に適任者がいない場合には、他の医療機関や地域の職域団体、学会などから事故調査の経験者などの派遣を受け、委員に任命できるとした。

 調査資料の提出や議論のための時間についても目安を示した。事前資料は議論開始の4日前までに委員に配布するとし、議論は原則1回・2時間までとした。2回以上議論を行う場合は、3週間以内に開催し、なおも議論が不充分な場合には稟議で調整を図るべきだとした。報告書は、議論終了後2−4週間以内に管理者に提出する。

 事例によっては院外の専門家を中心とした調査が必要な場合もある。研究班では必要に応じて別途設置できる「特別型委員会」についても目的や対象事例などを示した。ただ、研究分担者の加藤良夫・南山大法科大学院教授からは、特別型委員会は外部委員主導の委員会であり、医療機関としての自律性を失いかねないなどの危惧が示された。研究班では調整を図った上で、年度内に最終案をまとめる方針だ。(1/27MEDIFAXより)

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