厚労省分割「こだわらず」/麻生首相、反発受け後退  PDF

厚労省分割「こだわらず」/麻生首相、反発受け後退

 麻生太郎首相は5月28日夕、自らが検討を指示した厚生労働省の分割・再編について、首相官邸で記者団に「こだわっていない」と述べ、当面は具体案に踏み込まない考えを明らかにした。自民党内や関係閣僚から、唐突な指示への反発や戸惑いが出ていることを考慮したとみられる。

 首相は15日の安心社会実現会議などで、厚労省を年金や医療などを所管する「社会保障省」と、雇用や少子化対策などを担う「国民生活省」に分割する案に言及。幼稚園を所管する文部科学省と、保育所を所管する厚労省の業務を一元化する「幼保一元化」の是非の検討と併せ、具体案をまとめるよう与謝野馨経済財政相に指示した。これを受け、週内の素案取りまとめを目指し、関係閣僚が調整していた。

 しかし、首相は28日、分割案について「最初からこだわっていない」と明言。「国民の安心、安全を考えたとき、少子化の問題を含め、今の厚労省、いろいろ問題があるが、精査したらどうだ(という趣旨だ)」として、結論を急がない意向を示した。

 さらに、首相は「(安心社会実現会議メンバーの)渡辺(恒雄・読売新聞グループ本社会長)さんが最初に言われた。それを基にスタートした」と説明。幼保一元化についても「(自らが指示したというのは)違う」と語った。(5/29MEDIFAXより)

ページの先頭へ