厚労省、災害医療検討会を設置へ/拠点病院の在り方など課題  PDF

厚労省、災害医療検討会を設置へ/拠点病院の在り方など課題

 厚生労働省は5月23日、東日本大震災を受け、災害医療体制の充実を図るため、災害医療の在り方に関する検討会を新たに設置し、年内をめどに検討結果を取りまとめる考えを明らかにした。震災対応で見送られていた「医療計画の見直し等に関する検討会」(座長=武藤正樹・国際医療福祉大大学院教授)の会合が開かれ、医政局指導課の宮本哲也救急・周産期医療等対策室長が検討会の設置を明言した。初会合は2011年夏にも開く見通し。

 宮本室長は今回の震災について▽地震より津波の影響が大きい▽阪神・淡路大震災よりも死亡者の割合が高く、負傷者が低い▽避難所生活の長期化に伴う慢性疾患患者の医療ニーズが多数発生した−などの特徴を示した。その上で、発災直後からDMATや医療関係団体などの医師派遣で対応したものの、被災地での今後の医師確保や医療機関間の連携が課題との見方を示した。

 被災地の医療機関では道路網の損傷やガソリン不足から、職員の出勤や患者搬送、物資搬送が困難になったほか、多くの医療機関で通信手段の途絶や停電、断水などのインフラ機能が停止した。宮本室長は災害拠点病院にも被害が発生したと説明した上で「今後、拠点となる医療機関などが有すべき機能はどのようなものであるべきかが課題だ」と述べた。

 災害拠点病院には、各都道府県に1カ所設置する「基幹災害拠点病院」と、2次医療圏に1カ所設置する「地域災害拠点病院」があり、2011年1月現在で国の設置方針を上回る609病院が指定を受けている。(5/24MEDIFAXより)

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