厚労省、専認機構へ財政支援/専門医制の「客観的な評価機関」  PDF

厚労省、専認機構へ財政支援/専門医制の「客観的な評価機関」

 厚生労働省は、各学会の専門医制度を客観的に評価できる機関として日本専門医制評価・認定機構(専認機構)を支援する方針を決めた。2009年度から財政的な支援を開始する。予算規模は2000万円。厚労省は「専門医の質が担保された上で適正な配置が行われなければ、専門医制度に基づく国の施策に対して国民の理解は得られない」(医政局総務課)としており、専認機構に対して、専門医認定制度の確立をはじめ、認定基準の是正や研修施設の評価について検討するよう求めていく。

 現行の専門医制度について、厚労省は(1)専門医の質(2)専門医の数(3)専門医制度の位置付け(4)専門医制度の認知―の4点を課題としてとらえている。「専門医制度の位置付け」については、初期臨床研修終了後の後期研修と専門医制度との関係があいまいな点に問題意識を持っている。

 また、学会によって認定基準が異なる現状についても是正が必要と考えているほか、必要な専門医数が不明・未検証であることが、産婦人科や外科など特定の診療科で医師不足を招いた原因の1つではないかとみている。

 こうした課題を是正するため厚労省は、専門医の必要数・適正数を明確化する基盤づくりを支援する方針。将来的には、各学会の専門医の必要数・適正数を一括するデータベースの構築を目指すべきとしている。

 さらに、厚労省は必要数・適正数とは別に、専門医の「養成数」についても明らかにすべきとしており、(1)医療機関は、現状の症例数や指導体制などから養成できる専門医数を明らかにする(後期研修医募集に当たって適切に対応する)(2)専認機構と各学会は、症例数・地域偏在を考慮し、専門医研修施設の配置や、施設ごとの養成数の検討に関与する―ことなどが必要としている。(4/9MEDIFAXより)

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