厚労省、不正流用認めず
記者会見後、厚労省保険局医療課を訪れ、この間の抗議文のやりとりでは一部誤解もあった点を話し、外来管理加算をめぐって提出している質問事項への返答をいただけるよう申し入れた。
厚労省の担当官は、保団連が不正流用と指摘している点については「不正流用ではない」と繰り返し主張するとともに、みずほ情報総研株式会社が調査対象医療機関に送付した「平成19年度厚生労働省委託事業時間外診療に関する実態調査へのご協力のお願い」の文書で「このたび厚生労働省では、今後の時間外の診療体制のあり方を検討するため、時間外診療に関する実態調査を行うことになりました。」と使途を限定して記載している点については、「業者が添付した文書であり厚労省の責任ではない」と強弁した。保団連が提出していた質問事項については「信頼関係が崩れた」ことを理由に回答を拒否した。また、「時間外診療に関する実態調査」のデータを使って作成し、外来管理加算の議論の資料として「平均診療時間が5分以上である医療機関が9割という結果であった」ことを示すヒストグラムの表を中医協に提出しておきながら、「あれは5分ルールの根拠ではない」と無責任な主張を繰り返した。
短時間での申し入れのため、やりとりは平行線をたどったが、住江会長より、「責任はないと主張するが、実際に調査用紙を受け取った医療機関では、この調査データを5分ルールの導入に利用されるとは思いもしない」と厚労省の態度を批判するとともに、保団連の調査結果で「厚労省が示した影響割合をはるかに超える減収が客観的事実として判明している。今後検討というレベルの話ではない。舛添厚労相も「政治的配慮」で後期高齢者終末期相談支援料の凍結を決めた。このような対応が図れるのだから、すぐさま新算定ルールを撤廃するべき。そのための議論をしていただきたい」と強く要望した。