厚労相に長妻氏「後期高齢者医療制度は廃止」/民主・鳩山内閣が発足
民主党の鳩山由紀夫代表は9月16日、第172回特別国会で首相指名を受け第93代内閣総理大臣に就任した。鳩山首相は同日、組閣を実施。8月末の総選挙でマニフェストに明記していた後期高齢者医療制度の廃止や療養病床削減計画の凍結などを扱う厚生労働大臣に長妻昭政調会長代理を充てた。
長妻新厚労相は9月17日未明、首相官邸での会見で「後期高齢者医療制度の廃止はマニフェストに明記している。年齢で区分して医師にかかりやすい人を1つの保険制度に入れるのは無理がある」と述べ、廃止する考えをあらためて示した。
長妻氏は厚労省の政策決定に関して「議論の途中過程も含めて、できる限り正直に国民にお教えし、理解を逐一得るような意思決定を積み重ねていきたい」と述べた。その上で「社会保障に正解はない。1人1人の意見を聞きながら、より良い制度に常につくり変えていく姿勢が大事」とした。
厚労省の体質に対しては「たまった膿を出していく。その後に厚労省を立て直す。国民から尊敬される厚生官僚が何人も出てくるような組織に生まれ変わらせることも私の任務と考えている」と述べた。
また、衆院選を振り返り「社会保障の現場から、助けてほしいという悲鳴にも似た声を聞いた。これを脳裏に刻んで職責を全うしたい」と意気込みを語った。(9/17MEDIFAXより)
【厚生労働大臣の略歴】
長妻昭氏(ながつま・あきら)
慶應義塾大学法学部法律学科卒。日本電気社員、日経ビジネス誌記者。49歳・当選4回・衆院東京7区