単独で年間入院数300人以上など要件に/臨床研修見直し案に合意  PDF

単独で年間入院数300人以上など要件に/臨床研修見直し案に合意

 医道審議会・医師分科会医師臨床研修部会は3月2日、2010年度の医師臨床研修制度の見直しに関する概要案を大筋で合意した。臨床研修病院の指定基準として単独で入院患者数が年間300人以上であることや、研修医5人に対して指導医1人以上を配置することなどを求める内容だ。

 年間入院患者数に関する現行の指定基準は、協力型病院と共同で内科、外科、小児科、産婦人科、精神科の年間入院患者数が10人以上となっている。同様に、協力型病院と共同で満たせばよかった「救急医療の提供」や「臨床病理検討会(CPC)の開催」についても、研修病院単独での実施を要件とする。

 指導医に対する研修医数については、現行では指導医1人当たりの研修医は5人までが「望ましい」としているが、見直し後は要件として義務化する。研修病院群の推進に向けて、協力型病院などと連携して研修を行うことも基準に盛り込んでいる。

 基準の見直しによって指定取り消しの対象となる場合などは、一定期間の経過措置を設け、地域の実情や研修医の受け入れ実績などを考慮して対応する。

 臨床研修病院の募集定員については、過去数年間の研修医受け入れ実績の最大数値を超えない範囲で設定する。ただし、医師派遣の実績がある場合は必要な加算をする。委員からは「医師派遣」の定義の明確化を求める意見があり、厚労省は、今後募集を始めるパブリックコメントの取りまとめ作業の中でさらに検討していくと答えた。

 研修プログラムの見直しで2年目の「必修科目」となった「地域医療」について、「地域特性に則した医療(在宅医療を含む)について理解し、実践するという趣旨」とし、へき地・離島診療所、中小病院、診療所などで行うことを明記した。このほか、医師不足診療科への対応として、募集定員が一定数以上の研修病院は、小児科または産科を希望する研修医に対する研修プログラム(定員2人以上)の設置を必須とする。(3/3MEDIFAXより)

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