協会/京都府提案への反論と地域医療提供体制への提言(案)を公表
協会はこのほど京都府の医療政策への提言案を取りまとめ、09年12月20日付で公表した。提言案は、会内に設置した医療制度検討委員会が中心となり、検討を重ねてきたもの。今後会員からの意見もいただき、3月には成文化する。なお、提言案全文はホームページ上で閲覧できる他、要望があれば郵送も可能。
提言は、地区医師会の先生方にお世話になった「聞き取り調査」も踏まえた二次医療圏毎の現状と課題、京都市の医療提供体制についての分析、京都府の提案する国民健康保険の都道府県単位一元化への反論の3部構成となっている。
それらを受け、京都府の医療政策へ8つの要望を打ち出している。(下掲)
京都府の医療政策への8つの要望(抄)
(1)京都府の国保一元化提案は、「国の責任による医療保障」の原則を逸脱しています。医療費適正化路線、構造改革・地方分権改革推進の立場と決別し、憲法25条の原則に沿った提起を国へ行うことを求めます
(2)京都府としての、「医療提供体制のグランドデザイン」が示されることを求めます
(3)医療保険制度の将来像や医師不足等、「医療崩壊」を食い止めるための医療提供体制の現状把握・課題解決に向け、現場医療者と住民の声を聞く実態把握の活動や医療者との「協議の場」を作ることを求めます
(4)医師派遣機能、医療機関経営が困難な地域での医療提供や地域医療連携・病診連携、介護・福祉との連携等に、公的医療機関の役割発揮が必要です。公的医療機関の役割強化とそのための人的・財政的対策強化を求めます
(5)救急医療提供体制を担う医療機関への人的・財政的保障を強めるべきです。特に、産科・小児科・外科をはじめ、少ない人員に悩む診療科で献身的に従事する医療者を支える仕組みをつくることを求めます
(6)在宅療養を担う地域ネットワークの構築に向け、現在、努力する医療機関を応援し、医療機関が新たに在宅医療へとりくむことのできる支援策を求めます
(7)「4疾病」と称される脳卒中・急性心筋梗塞・がん・糖尿病について、京都府民の健康を支えるため、医学的知見に基づく施策の展開を求めます。また、早期発見・早期治療のため、行政の責任で検診体制の充実等を図られるよう求めます
(8)構造改革が破壊し尽くした地域そのものの再建なしに、医療提供体制は決して再建できません。経済・農業・伝統産業・教育・福祉・文化等、すべての部面において、京都府政の「脱構造改革」を求めます