医療費抑制方針を転換/鳩山首相が所信
10月26日召集の臨時国会で、鳩山由紀夫首相は衆参両院本会議での所信表明演説を行った。「財政のみの視点から医療費や介護費をひたすら抑制してきたこれまでの方針を転換する」と述べ、医療・介護サービスを安定供給できる体制づくりに取り組む方針を示した。
鳩山首相は「政治は弱者のためにある。今回の選挙結果はこのことをおろそかにし続けてきた政治と行政に対する痛烈な批判だ」と述べ、連立政権として国民の命と生活を守る政治を実践していくとした。
社会保障関係では自公政権の医療費抑制施策からの転換を表明。「質の高い医療・介護サービスを効率的かつ安定的に供給できる体制づくりに着手する」とした。さらに「優れた人材を確保し、地域医療や救急、産科、小児科などの医療提供体制を再建する」と述べ、医師不足対策に取り組む方針を示した。
マニフェストに掲げる後期高齢者医療制度の廃止については「廃止に向けて新たな制度の検討を進めていく」と述べ、廃止後の制度設計に取り組む方針を示した。感染が広がる新型インフルエンザ対策については「万全の準備と対応を尽くす」と述べ、関連法案の提出など対策に万全を期すとした。
この日は参院常任委員会の委員長人事が決まり、参院厚生労働委員長には民主党の柳田稔参院議員(広島県・当選2回)が就任した。
臨時国会は11月30日までの36日間。政府は新型インフルエンザ対策の救済法案や社会保険病院・厚生年金病院の公的存続法案など12法案を提出する。(10/27MEDIFAXより)