医療費増・人材不足解消など公約/国民新、参院選へ政策集  PDF

医療費増・人材不足解消など公約/国民新、参院選へ政策集

 国民新党は6月16日、夏の参院選の公約に当たる「2010政策集」を発表した。医療・介護を含む「安心の回復」など5つの柱を掲げ、OECD(経済協力開発機構)並みの医療費の確保や、医師・看護師不足の解消などをうたっている。

 公約では「医療の高度化と高齢化社会が進み行く中、今までのような社会保障費削減路線の延長線上に国民の安心・安全はあり得ない」とし、「生活の基盤でもある医療・介護・年金分野をしっかりと守ることが、経済を含め、わが国の成熟した次なる成長につながってゆくと確信している」と強調している。

 「安心の回復」のうち医療・介護関連では▽医療保険制度の一元化とOECD並み医療費の確保▽医師・看護師不足の解消と介護職員の待遇改善▽公的な医療事故調査機関の創設と無過失補償制度の確立▽がん研究、感染症対策の強化を通じた医療の質の向上▽高齢化社会を守り、全身の健康増進を図るための歯科医療政策の転換―を挙げた。

 医師不足・看護師不足の解消に向けた具体策としては、大学医学部定員の20%増員と学士入学制度(メディカルスクール)の創設により、今後15年間で先進国平均並みまで医師を増員。地域の実情に応じたマッチング制度や研修体制を実現し、新卒医師の配置を是正するとした。コメディカルの増員や職能分担の見直し、医師不足地域・診療科の報酬体系や補助制度の充実も図るとしている。

●「経済成長で財政再建」消費税には触れず

 一方、連立を組む民主党代表の菅直人首相が重視する財政健全化については「今後3年間で総額100兆円の財政・金融政策を実現し、5%以上の名目GDP(国内総生産)成長を達成する」とし、大規模な財政出動を通じた経済成長で財政健全化を目指す方針を打ち出した。消費税を含む税制改革には触れていない。(6/17MEDIFAXより)

ページの先頭へ