医療計画や後期高齢者医療について共産党府議団と懇談
共産党府議団と懇談
協会は6月25日、日本共産党京都府会議員団との懇談を「京都府保健医療計画」等をテーマに行った。議員団からは、新井進(北区)・前窪義由紀(宇治市)・梅木紀秀(左京区)・光永敦彦(左京区)・加味根史朗(右京区)・山内佳子(南区)・西脇郁子(下京区)・上原裕見子(伏見区)府議会議員と事務局、協会からは関理事長、垣田副理事長と事務局が出席した。
議員団の新井団長からは、後期高齢者医療制度については、一院とはいえ参院で廃止法案が可決する歴史的な事態に至った。次期国会に向けての運動で世論をいっそう広げて徹底審議をさせていきたい。住民のいのちと健康を守ることにおいて、力を合わせていきたい、と挨拶。
関理事長は、保健医療計画の運用を誤れば被害は弱者にかかる。そうならないように府民のための医療を守るということで議論をしたい、と挨拶。
続いて、垣田副理事長、事務局から京都府保健医療計画と医療制度改革についての問題意識を説明し、以下の7点を要請した。(1)京都府保健医療計画における医師確保対策をさらに実効性あるものにするため、国に対して抜本的な医師確保対策を財源も含めて求めること、(2)京都府保健医療計画において4疾病5事業の地域医療連携体制について医療機関名明記を行わないこと、(3)4疾病5事業の地域医療連携体制構築にあたっては、府が独自の「基準」を設け、「指定」を行うのでなく、各医療圏の実情に合わせて、自主的な構築がなされるよう支援するよう、府に対して求めること、(4)京都府民に対する情報提供は、「京都よろずネット」の充実や広報の強化で進めるよう求めること、(5)国に対し、地域における4疾病の連携体制構築とその医療計画への記載が診療報酬算定にリンクしないよう求めること、(6)医師数統計を居住圏ごとに把握できるよう旧自治体単位でとるよう働きかけること、(7)計画策定にあたっては臨床現場の調査、医療機関単位での医師不足や連携の実態を調べて丁寧に行うことを求めること。
また、協会から後期高齢者医療制度により初めて医療に導入された実質的な総枠予算制の問題を説明し、廃止論議の中でこの仕組みが残らないようにすべきであると訴えた。
意見交換の中で、議員からは、「今ある医療資源が不足する中で、機能分担をすれば、そこに集中して医療機関が倒れてしまいかねない。足りないところに配慮する仕組みづくりをしないといけない。北部だけでなく、南部でも厳しい情況で、開業医がリタイアした後、代わりがいなくなってきている。在宅医療を進めるといっても、美山では看取ってくれる医師が不足して警察の検死が必要とされるため、せめて最期だけでも病院にという家族の声がある。医療費の抑制、そのための施設縮小、更に機能分担と集約化で絞り込んでいく流れを止められるかどうかが最大の焦点だ」(新井議員)、「府議会で医療費適正化計画の審議が始まる。なぜこんな問題がでてきたのかという大きなところでの話を府民的に明らかにしていきたい。4疾病5事業の医療機関名明記の問題についても追求していきたい」(光永議員)、「後期高齢者医療制度の問題では地域の方々から制度の枠を変えないといけないという声があがってきた。我々も制度案をつくっていきたい」(加味根議員)、「国保料を払えない若い人が増えている中で、(限られた財政の中でしか給付されない方向に制度全体を)もっていこうとしているのは国民全体にかけられた問題だ」(西脇議員)、「後期高齢者医療制度で住民の方に制度の話をわかってもらうのは難しい。医療機関でパンフレットを配布して署名に取り組んでもらえるのは効果が大きい」(前窪議員)等の意見があった。
【京都保険医新聞第2647号_2008年7月14日_2面】