医療給付費30兆円台に突入/09年度社会保障給付費
2009年度の社会保障給付費のうち、医療部門の給付費額は、前年度比4.2%増の30兆8447億円だったことが10月28日、国立社会保障・人口問題研究所のまとめで分かった。同研究所は、09年度は診療報酬改定がなかったことなどが影響したとした。
社会保障給付費の総額は99兆8507億円(前年度比6.1%増)で過去最高を記録した。近年の伸び率はおおむね1−2%台で推移していたが、6%増を超えたのは1995年の7.0%増以来14年ぶりの高水準となった。年金受給者や介護保険受給者が増加したことや、介護報酬改定のプラス3%が影響したとしている。
国民の負担率を示す社会保障給付費の対国民所得比は対前年度比2.70ポイント増の29.44%で過去最大を記録した。国民所得に占める医療部門の割合は9.09%(前年度比0.68ポイント増)だった。
部門別の他の給付費では「年金」部門が51兆7246億円(前年度比4.4%増)、「福祉その他」が17兆2814億円(同15.8%増)だった。社会保障給付費総額に占める割合は「年金」が51.8%(同0.9ポイント減)、「医療」が30.9%(同0.6ポイント減)、「福祉その他」が17.3%(同1.4ポイント増)となった。
高齢者医療給付費や老人福祉サービス給付費などを合わせた「高齢者関係給付費」は68兆6422億円(同5.0%増)で、給付費総額の68.7%を占めた。
社会保障財源は121兆8326億円で、前年度に比べて20.0%増加した。項目別に見ると、「社会保険料」が3.5%減少したが、「資産収入」が大幅に増加したため、社会保障財源の増加につながった。(10/31MEDIFAXより)