医療的ケア、一体的に学ぶ場を/介護支援専門員協会が報告書  PDF

医療的ケア、一体的に学ぶ場を/介護支援専門員協会が報告書

 リハビリテーションなどの医療的ケアについて、介護支援専門員(ケアマネジャー)の過半数が自分の知識理解度が十分ではないと感じていることが、日本介護支援専門員協会が2009年度厚生労働省老人保健事業推進費等補助金事業として実施した「介護支援専門員の医療的ケアの知識向上のための調査研究事業」報告書で分かった。同協会は、リハビリなどの医療的ケアについて、一体的に学ぶ場を介護支援専門員に提供する必要性を強調するとともに、介護支援専門員の知識の平準化を課題に位置付けている。

 2月25日から3月19日にかけて会員4000人を対象に実施。有効回答数は580件(回収率14.5%)だった。

 報告書によると、リハビリに関する知識理解度について「十分」か「ほぼ十分」と回答したのは全体の45.7%。口腔機能の向上については30.4%、栄養改善については35.0%で、いずれも半数以下だった。ただ、併設施設・事業所別に見ると「医療系併設型」事業所ではリハビリに関する知識理解度について「十分」か「ほぼ十分」とする回答が60.2%で、ほかと比べて高い割合を占めた。

●口腔機能「専門職と連携とれない」約4割
 リハビリに関して、助言を求めたり相談する人の有無を聞いたところ、全体の85.3%が「いる」と回答。一方、口腔機能の向上については「いる」と回答したのは全体の59.7%で、同一法人内での相談相手は看護職が最多の34.7%、次いで歯科衛生士の19.1%などだった。口腔機能の向上について、相談相手が「いない」と答えた36.4%のうち「口腔機能向上の知識が少なく、口腔機能向上の専門職などと連携がとれない」を理由に挙げたのは35.5%で最も多かった。

 これらの調査結果を受け、日本介護支援専門員協会はリハビリについて「一定の知識習得や実践活用の様子がうかがえる」とした一方、口腔機能向上や栄養改善については「知識と技術面の現状や学習機会などについて、相対的に不充足感が見られる」と指摘。介護支援専門員の業務研修内容について「リハビリ、口腔機能向上、栄養改善の3分野を一体的にとらえ、ケアマネジメントの中で活用していくために必ずしも十分な状況にあるとは言い難い」とした。

 その上で「リハビリ、口腔機能向上、栄養改善の各分野の基礎的知識と、ケアマネジメント技術の平準化が喫緊の課題」とし、3分野を一体的に学ぶ体制整備の必要性を強調した。(9/6MEDIFAXより)

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