医療機関での職員認証の必要性/社会保障カード活用のシナリオ
「社会保障カード(仮称)の在り方に関する検討会」の作業班が4月2日の同検討会で、社会保障カードの医療機関での活用に関するシナリオを示した。患者の提示したカードを利用して医療機関の職員が保険資格確認をする場合、保険者の所有するデータと医療機関を中継する「中継データベース(DB、仮称)」が、担当した医療機関職員を認証する必要があると指摘した。
認証の具体的な方法として(1)中継DBが直接、医療機関職員を認証する(2)医療機関内のシステムが職員認証し、中継DBが医療機関の認証を行う―を挙げた。作業班班長の山本隆一委員(東京大大学院准教授)は「班内では(2)の案が妥当とする意見が多い」と述べた。
シナリオでは医療・介護分野の共通番号として「保健医療番号」をカード券面または別紙に記載することの有用性も指摘している。地域医療連携での共通IDとしての利用が可能となるほか、保険者間の異動変更時の事務処理、医療保険者と介護保険者の連携事務処理の簡素化などのメリットを挙げている。
保健医療番号はカード内のICチップには収録せず、通常の保険資格確認でも利用しないとしているが、長期入院患者などの場合には、事前の資格確認の際に取得した保健医療番号を利用して、被保険者資格の有無など最低限度の情報を確認できる仕組みも検討すべきだとした。
保健医療番号が可視化されることによる個人情報面でのリスクも指摘し、「制度的・技術的な対応を検討する必要がある」とした。 保健医療番号を使った保険請求は「想定していない」としたが、将来的に環境を整備する場合は、番号を所有者本人の意思で変更できるかどうかについても併せて検討する必要性を指摘した。(4/3MEDIFAXより)