医療機関での活用、シナリオ作成へ/社会保障カードの検討会
厚生労働省の「社会保障カード(仮称)の在り方に関する検討会」は2月6日、医療機関などで社会保障カードを活用した場合のシナリオをまとめる方針を決めた。3月上旬に開く次回会合までに、作業班で検討を重ねる。同検討会は2008年度中に社会保障カードに関する基本計画をまとめる方針で、厚労省は今後まとめるシナリオの中で、カード導入に伴う安全性やコスト面の課題を洗い出す考えだ。
同検討会が08年10月に公表した論点整理では、全医療機関などでカードを活用するまでに一定の期間を要することなどから、可視化した識別番号が表示されるべきだとする一方、年金・医療・介護の3制度を一体的に扱う統一的な番号の導入には慎重な意見もあるとしている。また、訪問看護や往診の際など、ICカードが利用できない状況での代替手段の確立も課題に挙げている。
今後は、こうした課題を踏まえたシステム設計をした場合に、医療機関、患者、保険者などにどのような利便性や費用負担などが生じるかについて、複数のシナリオで検討する。
厚労省はこの日の検討会で、新年度に社会保障カードに関する実証実験を実施する考えを表明した。自治体から計画を募り、数カ所以内に実験を委託する。具体的な実験内容などについては、シナリオの作成などを踏まえて今後詰める。(2/9MEDIFAXより)