医療保険の将来像、両論併記/高齢者医療改革最終まとめ  PDF

医療保険の将来像、両論併記/高齢者医療改革最終まとめ

 厚生労働省は12月21日付で、高齢者医療制度改革会議の最終取りまとめを公表した。将来的な医療保険制度の在り方について、日本医師会などが主張している「地域保険と被用者保険の統合」と、保険者などが主張している「地域保険と被用者保険の共存」の考えを両論併記した。

 後期高齢者医療制度廃止後の新たな高齢者医療制度の在り方については、75歳以上でも現役の被用者は継続して被用者保険に加入し、それ以外は当面、都道府県単位に広域化した国保に加入。2018年度を目標に75歳未満も都道府県単位の国保に加入するとし、財政運営は「都道府県が担うことが適当であるとの意見が大勢」とした。

 現行と同様に75歳以上の保険料で医療給付費の1割相当を賄い、保険料軽減制度は段階的に廃止する。被用者保険からの支援金には「総報酬割」を全面導入する。公費は現行では投入のない現役並み所得者にも投入し、公費割合を現状の47%から50%に引き上げる。70−74歳の患者負担は法定の2割に段階的に引き上げるが、早期引き上げと、受診抑制などへの懸念から引き下げを求める意見の両論を併記した。

 厚労省は最終取りまとめを踏まえた関連法案を11年の通常国会に提出する方針だが、新制度の運営主体を都道府県とされたことに反発する全国知事会との調整は難航が必至。民主党内にも負担増に対する強い反対論があり、国会提出・成立の行方は不透明な情勢だ。(12/24MEDIFAXより)

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