医療事故調査制度発足に向けて西澤研究班が議論を整理し公表  PDF

医療事故調査制度発足に向けて西澤研究班が議論を整理し公表

 
 2015年10月から始まる「医療事故調査制度」の、省令・大臣告示・通知等に規定する事項を網羅的に記載する「医療事故調査に係るガイドライン」策定に向け、議論を進めている厚労省の地域医療基盤開発推進研究事業「診療行為に関連した死亡の調査の手法に関する研究班」(研究代表者・西澤寛俊全日本病院協会会長)は10月23日、「議論の整理」を公表した。医療事故の届出、院内調査、調査結果の報告書や遺族への説明のあり方、センター業務に関する事項について、これまで8回開いた会合の議論を経て、同研究会として合意内容と今後の検討課題をまとめた。
 「議論の整理」を俯瞰してみると、医療事故の報告により刑事や民事で訴えられる恐れは皆無ではないが、非懲罰性の確保に言及された点は評価できる。予期せぬ医療事故の「予期せぬ」の定義づけは、やはり今後の検討課題とされた。医師法21条との関連は特に触れられていない。医療事故調査・支援センターや各都道府県の支援団体等の詳細は、具体的な支援内容とともに今後明らかにされる模様だ。調査に当たっての解剖やAiについては、整備の必要性に言及されたものの費用については特段触れられていない。センターへの報告内容については、個人の責任追及に繋がらないようにするため「記載事項を検討する」されている。なお、被害患者補償制度については全く触れられていない。
 まだまだ、多くの検討課題が今後の論点となる。厚労省は「医療事故調査制度の施行に係る検討会」を立ち上げ、研究班の議論を踏まえた上で運用指針を完成させる予定で、11月14日に初会合を開いた。議論の行方を注視していく必要がある。(詳細は次号掲載予定)
 なお、研究班の「議論の整理」の全文は、全日病のホームページに掲載されているので、ご参照願いたい。
 
【今後の予定】
2015年1月 研究班ガイドライン最終とりまとめ開始
2月末 医療事故調査制度施行に係る検討会意見集約目指す
3月 研究班が報告書提出
検討会が省令、告示、通知に関するパブリックコメントを1月間程度実施
4月以降 厚労省令、告示、通知事項について、指針策定・公表
第三者機関の申請受付開始
第三者機関の大臣指定
10月1日 医療事故調査制度の施行

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