医療事故調査制度の省令一部改正へ
厚生労働省は6月24日、医療事故調査制度の見直しに関する医療法施行規則の一部を改正する省令を公布・施行した。主な内容は次の2点。
病院等の管理者は、医療事故の報告義務等による報告を適切に行うため、当該病院等における死亡および死産の確実な把握のための体制を確保する。
医療事故調査等支援団体による協議会を組織する。
医療事故調査等支援団体は、支援を行うに当たり必要な対策を推進するため、共同で協議会を組織することができる。本協議会は、その目的を達するため、病院等の管理者が行う報告、医療事故調査の状況、支援団体が行う支援の状況の情報の共有および必要な意見の交換を行うとされている。協議会は、前項の情報の共有および意見の交換の結果に基づき、(1)病院等の管理者が行う報告、医療事故調査、支援団体が行う支援の円滑な実施のための研修の実施(2)病院等の管理者に対する支援団体の紹介—を行うともしている。
また、同日厚生労働省医政局総務課長から出された「医療法施行規則の一部を改正する省令の施行に伴う留意事項等について」では、支援団体連絡協議会について、医療事故調査・支援センターについて、病院等の管理者について、4医療安全支援センターについての4項目の内容を了知の上、運用に遺憾なきよう特段の配慮と医療機関、関係団体等への周知を求めている。
その中で、特に病院等の管理者が知っておくべきところを抽出し、アンダーラインを付してておくので、ご留意いただきたい。(別掲)
医政総発0624第1号 医療法施行規則の一部を改正する省令の施行に伴う留意事項等について—第二 医療事故調査・支援センターについて(抜粋)
遺族等からの相談に対する対応の改善を図るため、また、当該相談は病院等が行う院内調査等への重要な資料となることから、医療事故調査・支援センターに対して遺族等から相談があった場合、医療安全支援センターを紹介するほか、遺族等からの求めに応じて、相談の内容等を病院等の管理者に伝達すること
なお、医療事故調査・支援センターから医療事故調査報告書を提出した病院等の管理者に対して確認・照会等が行われたとしても、当該病院等の管理者は医療事故調査報告書の再提出及び遺族への再報告の義務を負わないものとすること
第三 病院等の管理者について(抜粋)
遺族等から医療事故が発生したのではないかという申し出があった場合で、医療事故には該当しないと判断した場合には、遺族等に対してその理由をわかりやすく説明すること