医療事故報告数、過去最高に/医療機能評価機構
日本医療機能評価機構はこのほど、2009年10月から12月までに報告のあった医療事故情報と、09年7月から9月に発生したヒヤリ・ハット事例の報告をまとめた報告書を公表した。医療事故情報報告数は09年1年間の状況がまとまり、1895件で過去最高となった。同機構は「事業開始後5年を経て、医療事故を報告することが定着してきている」としている。
09年は報告義務対象医療機関から1895件、任意で参加している参加登録申請医療機関から169件の報告が寄せられた。報告義務対象医療機関の事故概要を見ると、療養上の世話に関する事例が最も多い770件、次いで、治療処置に関する事例が528件となった。発生要因では、「確認を怠った」が最も多い531件、「観察を怠った」が520件、「判断を誤った」が500件となった。事故後に死亡に至った事例は156件だった。
09年12月31日現在で報告義務対象医療機関は273施設、参加登録申請医療機関は427施設となっている。
10月から12月までの医療事故の報告件数は482件。7月から9月までのヒヤリ・ハット事例は6万2201件だった。医療事故とヒヤリ・ハット事例を合わせた分析テーマでは▽化学療法▽その他の薬剤▽人工呼吸器▽電気メス―に関連した事例を取り上げた。「B型肝炎母子感染防止対策の実施忘れ(HBワクチンの接種など)」と「凝固機能の管理にワーファリンカリウムを使用していた患者の梗塞および出血」については事故情報から分析を行った。
医療事故の再発・類似事例の分析では▽製剤の総量と有効成分量の間違い▽処方入力の際の単位間違い▽ガベキサートメシル酸塩使用時の血管外漏出▽電話による情報伝達間違い▽セントラルモニター受信患者間違い―を取り上げた。(4/7MEDIFAXより)