医療事故報告は過去最多更新、12年は2882件/医療機能評価機構  PDF

医療事故報告は過去最多更新、12年は2882件/医療機能評価機構

 日本医療機能評価機構は8月28日、「医療事故情報収集等事業2012年年報」を公表した。12年の医療事故報告数は、報告義務がある医療機関と任意参加の医療機関を合わせて2882件(前年比83件増)となり、過去最多を更新した。同機構医療事故防止事業部の後信部長は「事故報告への理解が進み、医療安全の文化が育ってきていることが、報告数の増加につながっている」とコメントした。

 報告義務がある医療機関では、273施設中213施設から報告があった。報告数は2535件で、前年から52件増加した。事故概要の内訳を見ると、「療養上の世話」が1059件(41.8%)で最も多く、「治療・処置」662件(26.1%)、「薬剤」176件(6.9%)、「ドレーン・チューブ」163件(6.4%)と続いた。事故の程度の内訳では、「障害残存の可能性がある(可能性が低い)」が696件(27.5%)で最も多かった。以下、「障害残存の可能性なし」687件(27.1%)、「障害なし」582件(23.0%)、「障害残存の可能性がある(可能性が高い)」298件(11.8%)、「死亡」180件(7.1%)の順となっている。

 任意参加の医療機関を見ると、対象施設数は653施設となり、前年から44施設増加した。医療事故の報告数は347件で、前年から31件増加した。ただ、2010年の578件からは大きく減っている。後部長は、任意参加する医療機関が増えているにもかかわらず報告数が依然低調であることを受け、「医療安全を進めるためには、もっといろんな情報が必要であり、報告する能力が備わることも大切」と指摘し、任意参加の医療機関に積極的な協力を求めた。

●ヒヤリ・ハットも過去最多
 ヒヤリ・ハット事例収集・分析・提供事業では、参加する1092施設のうち559施設から69万109件の報告があった。前年から6万2939件増加し、報告数の過去最多を更新した。内訳は「薬剤」が22万8963件で最も多く、「療養上の世話」の15万6655件、「ドレーン・チューブ」の11万636件と続く。(8/29MEDIFAXより)

ページの先頭へ