医療・介護連携で認知症施策充実を/介護給付費分科会  PDF

医療・介護連携で認知症施策充実を/介護給付費分科会

 厚生労働省の社会保障審議会・介護給付費分科会(分科会長=大森彌・東京大名誉教授)は6月16日、増加が見込まれる認知症の高齢者に対する支援拡充に向け、認知症対応型共同生活介護(グループホーム)と小規模多機能型居宅介護事業所の関係者から意見を聞いた。利用者の重度化が進んでいる実態が浮かび上がり、科学的な分析に基づいてケアの在り方を議論すべきなどの声が上がった。

●グループホームでの医療が論点に
 厚労省が示した2003年時点の推計によると、日常生活に支障を来すような症状が多少あり、誰かが注意すれば自立できる「日常生活自立度」?以上の高齢者は、25年に323万人まで増える見込みだ。一方、グループホームの平均要介護度は重度化傾向にあり、01年の2.23から、10年には2.74まで上昇。グループホームでは看護師の配置が必須ではないが、1人以上の配置や訪問看護ステーションなどとの連携で1人以上確保している場合を評価する「医療連携体制加算」は、10年11月時点で約7割が算定している。厚労省はこれらの状況を踏まえ、認知症に対応するため▽医療と介護、地域それぞれの役割と連携▽グループホームでの医療提供の在り方―についてどのように考えるかを論点に挙げ、議論を求めた。

 意見陳述のためこの日の会合に出席した日本認知症グループホーム協会副代表理事の岩尾貢氏は「看取りの際、医療連携を伴う集中的なケアが必要になる」とし「死亡日と死亡日前の数日間について、手厚い報酬上の配慮を」と求めた。全国小規模多機能型居宅介護事業者連絡会代表の川原秀夫氏は、利用者の過半数が認知症(?以上)であることや、独居や夫婦2人の世帯が約4割を占めている現状を説明した。(6/17MEDIFAXより)

ページの先頭へ