医療に関するアンケートを実施 避難者から切実な訴え
「不安に思う気持ち受け止めて」
協会は2月9日に開催した講演会「内部被ばくの専門家と当事者とともに考える『被ばくを知る』」で、伏見地区に住む避難者の方々にご協力いただいた医療に関するアンケート結果を公表した。「避難者と支援者を結ぶ京都ネットワークみんなの手」代表の西山祐子氏に作成及び配布にご協力いただいた。
回収数は15通。この数字の裏には、東日本大震災当時のことを思い出すことすら辛く、協力できなかった方も多くいるとのことで、被災者へのケアの必要性が強く浮かび上がってくる。
集まった回答のうち、8割は福島県からの自主避難で、母子避難が多かった。今の生活で特に不安なことについては、「被ばくのこと」が最も多く、「健康のこと」「住まいのこと」が続いた。子どもに対する被ばくの影響を考えて、緊急的に母子で避難している方が多い。避難元に残る家族の心配や、二重生活で余計にかかる費用の問題、さらには、見知らぬ土地で母子のみで生活するというストレスなど、さまざまな背景があることも留意しなければならない。
避難後に医療機関に受診した時感じたこと、医療関係者に対する要望については、「被ばくに対する知識を身につけてほしい」「症状について、被ばくの影響ではないかと不安に思う気持ちを受け止めてほしい」「被ばくに対する検査をしてほしい」が多かった。
協会は、被災者の人たちとの対話を今後も続け、医師の団体としてやるべきことを模索したい。また、原発事故子ども・被災者支援法に被災者の声を反映させ、より良い支援策が実現するよう、少しでも安心して暮らしていけるように取り組みたい。さらに、安倍政権の原発推進姿勢に対し、再び「脱原発」に軸足を置いて取り組んでいく。