医界寸評  PDF

医界寸評

 今回の選挙で自民党が圧勝した。自民党を選んだのは国民自身である。かつて政権を担っていた民主党は、医療界にとっても魅力ある政策を次々に打ち立てていたが、結果はご承知の通りである。政治家の責任とは一体なんだろう

▼医療崩壊が起こったころは、医師は懸命に医療を施しても、結果が悪ければ刑事事件になり、逮捕されることさえあった。世間では医師の社会的責任は他の職業に比較してもとても重いという。なるほどその通りかもしれない(いや、本当にそうなのか?)。医師は医療行為の結果次第で責任を取らされることがある。本来は「結果」ではなく「経過」にこそ責任の有無があるにもかかわらずである

▼一方、政治家個人は滅多なことで逮捕などされず、結果責任を民事的に問われることもあまり聞かない。つまり、国民に対して多大な損害を与えたとしても、賠償責任を問われない。政治家という職業は、医師ほど責任が重くないということなのか?

▼もちろん、政治家に対しても医師と同様に、むやみやたらに結果責任を追及するのはどうかと思われるが、政治家としての責任というものを、医療界のみならず、国民全体で改めて考える時期に来ているのではないだろうか。その経験を国民が積み上げて、更なる智慧を持たなければ、悪しき歴史は繰り返されるだろう。(フーちゃん)

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