医界寸評  PDF

 日本が壊れてきている。先日の豪雨で宇治市等に大きな被害が出た。竜巻や河川の増水、地下街への浸水等、都市の被る自然災害が増えている。昔自然災害は地方のニュースだった。最近では日本中で水道管は破裂し、道路は陥没、橋には亀裂が入り、トンネルの壁も剥れてきている。一度被害を被ると、過疎地はインフラの回復が遅く、生活できなくなる。昔は住民が自ら復興してきたが、今は住む人がいない。近隣の地方都市も空家・空店舗が増えている。更に人はいなくなる。

 いずれ離島は竹島や尖閣諸島のようになるだろう。北朝鮮による日本人拉致も大半は日本海側で引き起こされていた。中央集権、首都圏中心の政治の結果だ。日本国中どこでも安心して住める国になってほしい。衣食住があれば自助・共助で、当座地域は守れる。しかし医・職がないと安心して生活できず、将来の展望も開けない。

 江戸時代約300の藩があった。明治維新の頃人口は約3000万人だった。平均10万人で一つの国・社会が成り立っていた。現在でも人口10万人程度の町に行くと雰囲気が良い。地名を聞いただけでどこの地区か分かるので町に一体感があるからだろう。ヘリコプターで運ばれたり、救急車に長時間乗らなくても必要な医療を受けられる国になるように地域が蘇ってほしい。このままだと日本が壊れていく。(恭仁)

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