今から32年前私は大学受験のため、物理の塾に通っていた。先生はもちろん私に受験物理の解き方を教えてくれたのだが、同時に物理学の面白さを教えてくれた。最後の授業でその先生が、「原子力発電は人間の能力を超えていると思う。イデオロギーの問題ではなく、原子力発電には反対である」と話された。当時現象を物理学的に考えることが面白く思えたが、相対性理論・核分裂・核融合となると現象的に考えにくかった。
とうとう大飯原発が再稼働に向かって進み出した。一年前、毎日テレビに原子力の専門家といわれている学者達が出ていたが、言うことがすぐ変わり、原子力発電所のことを解っているのか疑問だった。電力会社の役員や天下り官僚に、解っているはずがないのだ。原発を扱う電力会社の役員には、物理学の国家試験を課すべきだ。
忌野清志郎は今から24年前に「カバーズ」というCDを作った。原子力発電所反対の歌がある。「いくら理屈をこねてもほんの少し考えりゃ 俺にもわかるさ」「たくみな言葉で一般庶民を だまそうとしても ほんの少しバレてるその黒い腹」と歌い、まさしく今の政府や電力会社に対しても、強い風刺となり得る。
次の総選挙では原発問題を争点にしてもらいたいし、国民投票で原発問題を問うてもらいたい。国民の半数以上が反対なら原発は止まるはずだ。(蕉)