医界寸評
最近、7時15分から8時までの出勤前の約45分、朝の連ドラを含めてテレビを見るのを楽しみにしている。BSプレミアムである。「もういちど、日本」「ニッポンの里山」「カシャッと一句!フォト575」)「こころ旅」「猫のしっぽ カエルの手」いずれも15分程度の番組である(番組改編前)。何となく心が落ち着くのである。特に「もういちど、日本」や「ニッポンの里山」は心が洗われる。医療を含め、著しい科学の発達で自然や人の心を忘れがちの今日この頃、人と植物や動物が共に生きている自然を見ると、子どものころの西下桂の風景を思い出す。
私たちは、著しい科学の進歩により、多くの恩恵を受けて来たが、その弊害があることを忘れてはならない。岡潔は小林秀雄との対談(昭和40年)で「20世紀は理論物理学だとよくいわれるけれども、しかしその科学の王者がやったことといえば、まず第一に『破壊』という仕事だった。原水爆の発明がそうだったではないか」また「自然科学がやったのが、『機械的操作』であり、それが今日の驚異的な『遺伝子操作』の技術につながっている」と言っている。47年も前にである。
いろいろな分野で日本の信頼は薄れてきている。戦後、先進国に向かって闇雲に走ってきた結果が「破壊」や「機械的操作」だけでは悲しい。今からでも遅くはない、みんなで考えよう「もういちど、医療」「もういちど、日本」。(玲奈)