医界寸評  PDF

医界寸評

 最近、「説明責任」という言葉が頻繁に使われ、よく耳にする。また「責任をとって職を辞する」という言葉も同様によく聞かれる。その度に何かスッキリしない違和感を感じていた。説明したり、職を辞すれば責任は果たせるのか?責任とはいったい何なのか、いつも心の中でどこか引っかかっていた

▼「責任」という言葉は英語では「Responsibility」である。責任以外にも義務という意味もある。「Response」は、応答・返答・答え・反応という意味である

▼痛みを感じている人がいる限り、その痛みが消えるまでは「Response」反応して答えていくことが責任であり、そうすることが義務ではないのだろうか?痛みを癒すことができて初めて責任を全うできるのではないだろうか?相手が痛みを感じることなく癒されるまで責任を負い続ける覚悟がいるのではないか

▼自分自身に省みると、そこまでの覚悟ができるだろうか?ただ、負の経験は何の前触れもなく突然脳裏に浮かび上がってくる。これも一つの責任の表れなのだろうか?

▼薬害、ワクチン被害、原発事故、核兵器、戦争などさまざまな場面で痛みを負う人が生まれてくる

▼現在、私たちの社会は本当に果たせているのか? 問いかけてみる必要がある。責任を負うものが、国や政治であったり、組織が大きくなると責任の所在があいまいになる

▼政治が「責任」を果たしていないと判断したら、責任を全うさせる「責任・義務」が私たち国民にはある。(治)

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